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地産地消で旬を味わう「銀鮭」×「飲食店」

地産地消で旬を味わう「銀鮭」×「飲食店」

地産地消だからこそ、食材の良さを活かした料理を

地元の食材を使うのは地元の料理人の役割

南三陸町の魅力のひとつは、食卓に料理が並ぶまで(生産者と消費者の距離)が近いこと

多くの人を魅了する南三陸の「食」の魅力について、様々な立場の方への取材を通して深堀りしていきます。 

南三陸でご飯を食べるとメイン以外の副菜やお吸い物も、実はめかぶ、お米、味噌汁の海藻や小鉢の食材などメインのメニュー以外も南三陸で採れたものを使うこだわりに溢れています。

南三陸町の生産者と飲食店のつながり

 南三陸町は、漁業・水産加工業が盛んな地域です。南三陸町で海鮮丼や刺身定食を食べようと町外、県外から多くのお客様が訪れます。

牡蠣まつりやあわびまつり、わかめまつりなど、食べ物に関するイベントは地域の人たちにとっても一大イベントです。その盛り上がりぶりは、商品を買おうと大行列ができるほど。

「地元の人なら、いつでも食べられるのに、なぜそんなに盛り上がるの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。それは、食材の生産がとても身近にある地域だから。


今回は、旬な時期に美味しく食べたい!と待ちわびる食材の1つ、「銀鮭」について飲食店ならではのこだわりや食材の背景を語っていただきます。今回お話を聞くのは、地元の方にも観光客の方にも愛されるお店「志のや」。

実は銀鮭養殖発祥の地、南三陸町

 1960年のチリ地震津波により、南三陸町の名物だった志津川ダコが激減しました。これに代わる特産品として、1976年に南三陸町で全国に先駆けて銀鮭養殖を開始。技術改良を重ねて、銀鮭養殖は県内に広まりました。現在では、宮城県が全国生産量の約90%を占めています。手塩にかけて育てた銀鮭を収穫するのは4〜7月。漁師たちはまだ太陽が見えない時間から船を出し、洋上に浮かんだいけすの中から銀鮭を捕獲します。鮮度を保つために船上で神経締めを行い、その日の朝に魚市場に水揚げします。
 銀鮭は配合飼料による徹底した品質管理で、臭みが無く、脂が程よくのっていてとろける食感が特徴。養殖のため、寄生虫の感染確率も極めて低く、刺身でも美味しく召し上がれる食材です。 

 

志のやの提供する期間限定メニュー「銀鮭炙り丼」とは?

そんな銀鮭を使ったメニューを提供している町内の飲食店、「季節料理志のや」さん。数量限定メニューとして提供している「銀鮭炙り丼」は、ファンが多いメニューの一つです。

 銀鮭のあら出汁で炊いた炊き込みご飯の上に、めかぶ、表面を軽く炙った銀鮭、自家製銀鮭フレーク、銀鮭のなめろうを載せた贅沢な丼、これが「銀鮭炙り丼」です。さらに、その丼に出汁をかけて、お茶漬けにして食べることができるのです。


味噌と薬味を合わせて作ったなめろうの濃い味わいと炊き込みご飯は相性抜群。ほどよく炙った銀鮭は、生の旨さも残しながらも、生臭みが一切なく、噛むたびにじゅわっと銀鮭の甘みが溢れ出てきます。そのまま丼をかきこんで、たいらげてしまいたいところですが、ここはぐっと堪えて…あたたかい出汁をかけて、お茶漬けに!

なめろうと銀鮭フレークの旨味、銀鮭のジューシーな脂が出汁に溶け出していきます。そして、その贅沢な出汁をお米一粒一粒がじわじわと吸い上げていきます。旨味成分グルタミン酸を多く含んだめかぶと銀鮭の旨味を吸ったお米の組み合わせは言わずもがな。大事に残しておいた銀鮭と一緒に口に入れたら、贅沢の極みです。飲み込んだ後も銀鮭の旨味の余韻を感じるので、お茶を飲むのもためらってしまいます。出汁の一滴も、お米の一粒も残すことが惜しいと感じる美味しさ。まさに銀鮭の旨さを二重で堪能できる一品です。

料理人の手間と工夫を感じる銀鮭炙り丼、メニューを考えるのにどれくらいかかったのでしょう。店主の高橋さんに尋ねたところ、「TV局の取材で「銀鮭で何か料理を作って欲しい」と言われて、5分で考えたのさ」と笑いました。

銀鮭炙り丼のこだわりと食材を活かす工夫とは?

 1つ目のこだわりは、メニュー名のとおり銀鮭を炙って提供していることです。銀鮭は生で食べても美味しい食材ですが、あえて炙ることにした理由は何なのでしょうか。実は紅鮭や秋鮭(白鮭)に比べて、銀鮭は脂乗りがいい鮭です。そのため、銀鮭を盛り込んだ丼だと、食べ進めていくごとに脂のしつこさを感じてしまうのではと考えた高橋さん。そこで、銀鮭を炙ることで、銀鮭の脂を軽くし、食べやすいようにしたそうです。生の銀鮭の食感も味わってほしいので、片面だけ軽く炙るというこだわりも。銀鮭の脂の甘みをさっぱりと味わえる理由は、この一手間にあったようです。

 2つ目のこだわりは、銀鮭フレークと銀鮭のなめろうです。炙った銀鮭だけの丼でも、成立しそうなメニューなのに、なぜフレークとなめろうも載せるのでしょうか。それは、最後に出汁をかけて食べるときに活きてくる工夫でした。出汁を入れた時に、炙った銀鮭だと味が物足りなくなるのだとか。そこに、なめろうとフレークを入れることによって、出汁に銀鮭の旨味が染みるように、と考えたそうです。

銀鮭の良さを知っている地元の料理人だからこそ、食材を活かしきった料理を提供できるのでしょう。

 地元の人からも愛される銀鮭炙り丼。提供が始まったと聞けば、「この時期がきたのか」、「待っていました!」と、お客さんが集うのは、銀鮭の本当の美味しさを知ってしまったからなのかもしれません。

なぜ、地元の食材を使うことにこだわっているのでしょうか。

「うちで使った食材をお客様が美味しいと気に入ってくれたら、どこで買えるんですか?という話になり、町内で買い物をして、楽しんで帰ってもらえる。そんな風に、町内でご飯を食べて買い物して等の滞在を長く楽しんでもらえるような一連の流れを町のみんなで作っていきたい。だから、地元の食材を使うのは一つの飲食店の役割。生産者も自分が作ったものが飲食店で提供され、お客様に評価されるのは、誇りに繋がり、この先も続けていく動機になる。人口が少ないまちだからこそ、それぞれの立場でそれぞれの役割を担い、みんなで町を盛り上げていきたい」

 地元の食材を活かす料理を出すこと、それは町全体のことを考えての飲食店だからできる工夫と役割でした。地産地消と一口に言っても、生産者と消費者である飲食店のつながりがなければ、実現しにくいでしょう。地元の食材の良さを理解し、評価し、活かす飲食店が町内にあることは、生産者にとって心強いことだと思いました。

 

今回取材させていただいた「季節料理志のや」さんのお問い合わせ先はこちら

 

 

 

 

季節料理志のや

営業時間/11001400 17002000(LO19:30)

定休日/水曜日

TEL0226-47-1688

住所/宮城県本吉郡南三陸町志津川字御前下62-4

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