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【南三陸おやつの時間】クルミもち

【南三陸おやつの時間】クルミもち

宮城県北部は、もちの食文化が豊かだ。
祝い事や人が集まる時には、みんなでもちをついてきた。
そしてそれを一時に多種多様な味でいただくのだ。

南三陸でも、もち文化は脈々と受け継がれている。
古くは糀屋を営んでいたと伝わる、歌津地区港の阿部恵子さんの家でも、
正月には様々なもちが食卓に並ぶという。
あんこ餅とお雑煮はもちろんだが、そのほかに、ごまもち、納豆もち、クルミもち、そして仙台出身だったおばあちゃんが元気だった頃は、真冬でもずんだもちを作ったそうだ。ずらりと多彩なもちが食卓に並ぶ光景は、集まった家族のにぎやかな笑い声の記憶につながる。

なかでもコクがあるクルミもちは人気の一品だ。
恵子さんの家のそばに流れる川には、秋になると山のクルミが流れてくる。流れついたクルミを拾い、きれいに洗って干して保存しておく。
歌津は海の幸だけでなく山の幸にも恵まれている。
クルミもちは豊かさを感じさせてくれるふるさとの味なのだ。

もちつきの前日、クルミを割って身を取り出し、すり鉢ですりつぶす。
おじいちゃんやお父さん、子どもたちが手伝うこともある。クルミもちを食べられるとなると、この時とばかり子どもたちは嬉々としてお手伝いをする。
翌日、もちがつきあがるとすりつぶしたクルミにお茶を入れてのばし、砂糖、醤油で味を調える。クルミの香ばしさとコクがつきたてのもちの美味しさをさらに引き立てる。

阿部家には正月に行う珍しい風習がある。
山形県羽黒町から山伏が阿部家を訪れ護摩焚きのご祈祷を行い、家中の邪気を払うのだそうだ。阿部家の正月は山伏の吹くホラ貝の音で始まる。修験道の歴史が伝わる歌津ならではの正月行事が、豊かなもち文化とともに継承されている。

※「情報誌南三陸vol.23」より抜粋>>>pdfデータはコチラから『情報誌南三陸vol.23』

 

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