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海とともに、
生きるまち。

みなレポ

佐藤 金枝さん

佐藤 金枝さん

世界の人が学べる町に

南三陸町には、中国、台湾、フィリピン、アメリカなどからやって来た多くの外国人が住んでいる。語学教育に携わる人、水産加工業に携わる人、妻として家庭を支える女性たちなど、震災後もさまざまな場でがんばっている。

佐藤(張)金枝さんもそのひとりだ。18年前、台湾の台北から留学生として仙台にやってきた金枝さんは、南三陸町で測量会社を営む夫と結婚。南三陸町に住んで、今年で16年になる。10年以上前から、中国人に公民館で日本語を教えて来た。国際交流協会の理事として、町在住の外国人たちの世話役を務めている。震災の年には、家業を手伝いながら、隣接する気仙沼市の松岩中学校で非常勤講師として、海外から移り住んだ子どもたちのサポートをしていた。校長先生と教頭先生が安否を確かめに避難所に訪ねて来てくれたときは本当にうれしかったと言う。

震災のひと月前に増築を終えたばかりだった家は、何ひとつ残らず流失していた。呆然とする金枝さんに、もっと打ちのめされているはずの夫が明るく言った。「何もないから、片付ける手間もいらないな。」その一言で気が楽になった。それが現実を受け入れることができた瞬間だった。どん底の中で、夫は隣接する津山町横山の空き倉庫を借り、会社を再興しようと動き出した。震災直後、友人たちは次々と一時帰国し、祖国の家族には帰国を強く促された。しかし、夫の苦労をそばで見ていると、とても帰ることはできなかった。台湾人としてここから逃げ帰ることなどできない。そんな思いも彼女を町につなぎとめた。震災があって、夫婦共々、互いに少しは成長したと思える。そう金枝さんは語った。

震災後、台湾のドキュメンタリー映画の監督や中国の放送局の人々、宮城県国際交流協会を通じてやって来た各国の方たちと町で出会った。南三陸町がこれまでにないくらい全世界の注目を浴びている今、この体験を復興にいかしていくべきだと金枝さんは感じている。

「たとえば、『津波』を知らない世界中の人たちが世界の津波について学べるセンターや、津波のような災害に遭遇したときどう判断し行動するかをシミュレーションできる教育プログラムやフィールドワークの場があれば、南三陸町はこれからも注目を集め続けることができるのではないでしょうか?今こそ、だれも考えていないことを現実にしたいですね。美しい砂浜も復活してほしい。町が前よりグレードアップするチャンスだと考えたいです。」

町に住む外国人は、津波に関しての知識は乏しかった。金枝さんは、今後、外国人の犠牲者が出ないように、もう一度在町の外国人たちと集まる場を持ちながら、役に立っていきたいと考えている。

Kanae Sato

From Taipei in Taiwan Ms. Kanae Sato (Chinese name: Chang) came to Sendai 18 years ago as a foreign student. Two years later, she married a man who managed a survey company in Minamisanriku.
Since then she has been living in Minamisanriku.
She has taught Japanese to Chinese residents in the town for more than 10 years. In the year of the great earthquake of 2011, she supported the children who moved here from overseas as a part-time teacher in adjacent Kesennuma City,while helping with the family business.
Just one month before the earthquake, extensions had been made on her house. Their newly renovated home was completely swept away by the tsunami. Kanae was in a daze from the loss, but her husband, who had lost much more than she had,offered words of encouragement. “Since we have nothing left, we do not have to waste time cleaning up.” She was relieved to hear his words. Now, she is still continuing to support her husband who is trying to revive his company.
“If we build a tsunami learning center in which people from all over the world can study the tsunami with an educational program that includes field work where they can learn how to make decisions and what to do when a tsunami strikes,
Minamisanriku will be able to continue to attract the world’s attention. I would like to think that now is our chance to realize something conceived by no one else.”

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