【南三陸観光ポータルサイト】 宮城県南三陸から、地域の観光情報を発信中!

南三陸観光ポータルサイトへようこそ

海とともに、
生きるまち。

06.和船

 

 

 

 

南三陸町には、木造船をつくる技が生きている。
南三陸町志津川で船を造り続けてきた大勝造船の千葉勝司会長は、震災後、気仙沼市唐桑町の『NPO法人森は海の恋人』の畠山重篤氏の依頼で和船を造船した。

畠山氏は、おいしい牡蠣が育まれる海は、豊かな森から流れ出る滋養豊かな水がつくるという理念のもとに、自ら植樹を続けて来た。「森は海の恋人」というエッセイは教科書にも掲載され、世界中の人々に大きな影響を与えている。畠山氏は、さまざまな樹種の木で造る木造船は、「海に浮かぶ森」だと考えている。和船は、山と海のつながりを表す象徴なのだ。

千葉さんはかつて父親と造った木の船を、40年ぶりに建造するにあたり、かつて大勝造船で和船を専門に造っていた志津川の佐藤美佐夫さんに手伝いを依頼した。
 
2013
12月、造船が始まった。

船底を4等分して、幅と高さを出していく。もっともむずかしいのは船底だという。厚さ7.5センチ、幅90センチの板の2カ所をジャッキでおさえながら、木の端を20センチほど徐々に反らせる。その微妙な曲線を作るのは熟練の技だ。
 
船首の側面の曲線を作るときも緊張する。魚油を塗って、バーナーで厚さ4センチの板をあたためながら木を曲げる。少しでも間違えると、木が割れてしまう。船の「みょうし」と呼ばれる船首にはヒノキが使われた。

こうして、全長12.5メートルの美しい和船「あずさ丸」は2014年3月末、気仙沼市唐桑町宿舞根(しゅくもうね)漁港で進水した。船の櫓に使われる堅い木である「あずさ」が、船の名前になった。
 
木の船や櫓を造る技や知恵は失われようとしている。千葉さんは、貴重な三陸の海の文化を継承する一人だ。

>>>「海に浮かぶ森」和船をつくる

Return Top