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南三陸のあわび入門 ~知って味わう冬のおすすめグルメ~

南三陸のあわび入門 ~知って味わう冬のおすすめグルメ~

 

昨年初開催し、大好評だった「南三陸町産天然あわびフェア」が今年も始まりました!

より多くの方に南三陸町のあわびを楽しんでいただけるよう、この町で育まれてきたあわびについて、改めてまとめてご紹介します。

南三陸町のあわびについて

~育つ環境と、産地としての特徴~

南三陸町の沿岸は、リアス海岸ならではの入り組んだ地形が特徴で、志津川湾には海藻が生い茂る「藻場(もば)」が広がっています。ここは、あわびが岩に張り付いて暮らしたり、海藻を食べて成長したりするために欠かせない場所です。

この自然環境のおかげで、身が引き締まり、風味がよく、美しい殻を持つ個体も見られるなど、南三陸町は良質なあわびが育つ産地として知られています。

また、1928年(昭和3年)の「大嘗祭(だいじょうさい)」では、旧歌津町産の干しあわびが献上された記録もあり、当時から品質が認められていたことがわかります。地域の誇りとして語り継がれている理由のひとつです。

 

あわびってどんな生きもの? ~成長・生息・栄養について~

生息・成長

あわびは岩場や海藻が多い場所に棲む貝で、南三陸町の志津川湾に広がる藻場(海藻が生い茂る海底の環境)は、あわびが暮らし、成長するためにとても大切な場所です。

海藻を食べながらゆっくり成長し、漁獲できる大きさになるまでには数年かかると言われています。時間をかけて育つことが、身の締まりや食感につながっていると考えられています。

栄養について

栄養面では、高たんぱく・低脂肪で、ミネラルやビタミンB群が含まれるなど、栄養価の高い食材として知られています。

コレステロールの働きを調整したり、目の疲れをやわらげるとされているほか、肝臓の機能をサポートし、加齢に伴う衰えの進行をゆるやかにする働きがあるとも言われています。また、肥満や高血圧、動脈硬化の予防に役立つ食材として親しまれてきました。

中でも「肝(きも)」は栄養が豊富で、視神経の疲労回復に良いとされ、昔から滋養食として重宝されています。

食感や味わいの特徴

刺身ではコリッとした歯ごたえが楽しめ、軽く火を通すとやわらかさが増して磯の香りがふわっと広がります。

調理方法によって味わいが変わるため、さまざまな料理で楽しめるのも魅力です。

 

漁と流通について ~“開口(かいこう)”と畜養・出荷の流れ~

“開口(かいこう)”とは

南三陸町であわび漁が行われるのは、毎年決められた「開口(かいこう)」と呼ばれる解禁日です。開口とは、あわび漁が許可される解禁日のことで、地域ごとに日程が決められています。

南三陸町では11月中旬から下旬にかけて解禁されることが多く、その日を迎えると漁師たちが一斉に海へ出て漁を行います。

漁業者は早朝から海に向かい、小型船で岩場や藻場を目視しながら漁を行います。海の中を箱メガネで確認し、専用の道具で一つずつ採り上げる方法が一般的で、資源を守りながら持続的な漁を続けるための大切な取り組みとされています。

畜養・流通

水揚げされたあわびは、そのまま出荷される場合もありますが、町内には畜養(ちくよう/蓄養)に取り組む事業者があり、自然に近い環境で管理されています。

畜養によって鮮度を保ちながら状態を整えることで、安定した品質での提供が可能になります。

小売・飲食店まで

町内の飲食店や宿泊施設、小売店へ届けられたあわびは、刺身やしゃぶしゃぶ、天ぷらなど多彩な料理として提供されます。活きた状態ならではの食感や香りを楽しめる点が、多くの方に喜ばれています。

 

多彩なあわびメニュー

南三陸町では、あわびの良さを活かしたさまざまな料理が楽しめます。

活きた状態で提供されることが多く、刺身ではコリッとした歯ごたえとほんのりとした甘みが感じられるほか、しゃぶしゃぶにすると柔らかさと旨味が引き立ち、ふわっと広がる磯の香りも魅力です。

火の通し方や調理方法によって食感や味わいが変化するため、それぞれの店ごとに異なる楽しみ方ができるのも特徴です。

南三陸町内の飲食店では、刺身やしゃぶしゃぶのほか、天ぷらや味噌漬け丼など、昔ながらの味わい方も人気です。宿泊施設では、あわびをメインにした特別プランがあり、昨年からのファンで今年も訪れてくださるリピーターの方もいます。

宿泊施設:ニュー泊崎荘

 

旧歌津町産あわびの「献上あわび」の物語

1928年、京都御所で行われた昭和天皇の即位儀式「大嘗祭(だいじょうさい)」に、旧歌津町産の干しあわびが献上されました。

泊浜から選ばれた17人の漁師が採捕人となり、9月にあわび採りが行われたそうです。この出来事をきっかけに、歌津のあわびは「極上品」として知られるようになりました。

当時のあわび漁は、地域の暮らしにとって大切な収入源でした。開口の前夜は興奮して眠れなかったという漁師の声もあり、家族みんなで船に乗り、子どもたちも見よう見まねで漁を覚えていったと伝わっています。昭和30年代には、開口日や麦刈りの日には学校が休みになったこともあり、地域全体で支える一大行事でした。

歌津の浜には、ヒジキやマツモなどの磯根資源が豊富で、あわびが育つ環境に恵まれています。さらに稚貝の放流など、資源を守る取り組みも続けられてきました。

現在もその誇りは受け継がれており、歌津では、あわびは今も特別な存在として親しまれています。

 

南三陸町産天然あわびフェア ~解禁日からの旬を味わう100日間~

南三陸町では、開口の時期に合わせて「南三陸町産天然あわびフェア」を開催しています。町内の飲食店や宿泊施設、小売店で、旬の天然あわびを楽しめる冬ならではの企画です。各店舗で個性のあるメニューが提供されています。

  • 開催期間:2025年11月21日(金)~2026年2月28日(土)
  • 参画店舗:町内22事業者(飲食店・宿泊・小売)

詳細や参画店舗、限定メニューについては公式サイトでご案内していますので、ご来訪の際にはぜひチェックしてみてください。

▶詳細はこちら:南三陸町産天然あわびフェア2025

 

まとめ

南三陸町のあわびは、豊かな自然と人の手によって大切に育てられてきました。育つ環境や漁の方法、歴史を知ることで、味わい方も変わってくるかもしれません。

町を訪れる際には、ぜひ南三陸町のあわびに出会ってみてください。冬ならではの特別な体験になるはずです。

南三陸町天然あわびフェアは2月28日まで。ぜひ南三陸の冬の味覚をお楽しみください!

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