2025夏東北ツアー_実施レポート

〇実施概要

【日時】2025年8月18日(月)-20日(水)
【団体】2025夏東北ツアー(募集型)
【人数】20名
※武蔵高等学校中学校・栄光学園中学高等学校より、中学3年:12名/高校1年:6名/高校2年:2名参加

【旅程】
 ■8月18日(月)
 くりこま高原駅集合~バス移動~南三陸さんさん商店街にて自由昼食~
 南三陸311メモリアルにてラーニングプログラム~まちあるき語り部~
 いのちめぐるまち南三陸の概要紹介~地元住民と夕食交流会

 ■8月19日(火)
 南三陸SDGsアクティブラーニング~南三陸BBQ~山から学ぶプログラム~
 バイオガス発電施設「南三陸BIO」見学~農業の現場見学~ナイトハイク

 ■8月20日(水)
 まとめ・グループディスカッション~志津川駅解散

 

今回の研修旅行は、東京の武蔵高等学校中学校・加藤副校長先生からのリクエストにより実現しました。

当方が通常受け入れている教育旅行とは異なり、学校単位ではなく「募集型」の旅行として実施した点が大きな特徴です。

対象は、武蔵高等学校中学校の生徒を中心に、他校生も含めた中学3年生~高校2年生で、本研修には栄光学園中学高等学校の生徒も参加しました。

加藤副校長先生が示された目的は以下の3点です。

① 訪問地域の特色を活かした交流・体験活動(あるく・みる・きく)を通じて、地域の暮らしや文化を知る。

② SDGs等の指標を通して持続可能な地域の暮らしを考え、今後の日本の将来像をデザインするきっかけとする。

③ 地域の人々との交流を通じてその魅力を発見し、自ら行動することでその魅力をどのように活かせるかを考える。

これらの目的を踏まえ、「ひと・森・里・海 いのちめぐるまち南三陸」をテーマとした2泊3日のプログラムを構築しました。

参加者には「いのちめぐるまち南三陸」とは何を意味するのかを実際に体感していただくとともに、地域で多様な取り組みを行っている住民の方々と直接出会い、対話することを重視した内容としました。

〇体験レポート

【8月18日(月)】
研修旅行初日。各々交通手段を利用して「くりこま高原駅」に集合し、バスで南三陸へ移動しました。
到着後は、お盆明けでも多くの人で賑わう「南三陸さんさん商店街」にて自由昼食をとり、その後、震災・防災学習から研修をスタートしました。

 

〇南三陸311メモリアルラーニングプログラム(program③いのちを想う)

〇まちあるき語り部

ラーニングプログラムでは、東日本大震災当時に町民がとった行動や、当時の小学生・漁師の証言を通じて、被災後どのように歩んできたのかに耳を傾けました。
また、「まちあるき語り部」では、震災を経験した住民から直接お話を伺い、被災した建物を目にしながらかつての街並みを想像することで、この地で起こった出来事を身近に捉える時間となりました。
こうした学びを通じて、「いのち」について深く考える貴重な機会となりました。

 

〇いのちめぐるまち南三陸の概要説明

南三陸町は東日本大震災後「ひと・森・里・海 いのちめぐるまち南三陸」を将来像のテーマに掲げ、まちづくりを進めています。
今回の研修旅行のテーマでもある「いのちめぐるまち」とは何を意味するのか。様々な現場での見学・体験・住民との対話に先立ち、その概要について説明を行いました。

 

〇地元住民と夕食交流会

今回の研修では、地域住民との交流を重視するという要望がありました。南三陸町では特に一次産業を中心に先進的な取り組みが行われており、地域住民による活動が注目されています。
そこで、住民と直接対話する機会として夕食交流会を開催しました。互いに自己紹介をした後、食事を共にしながら和やかな雰囲気の中で会話が弾み、住民の方々の思いや活動に触れる貴重な時間となりました。

 

【8月19日(火)】
2日目はフィールドでの活動です。初日に学んだ「いのちめぐるまち南三陸」を、実際に現場を訪れ体感する時間となりました。

〇南三陸SDGsアクティブラーニング

志津川湾の環境・養殖現場について事前レクチャーを受けた後、足漕ぎ型カヤック「HOBIE」に乗り、藻場を見学しました。
「HOBIE」は2025年7月に導入されたもので、海面との距離が近く、海水に手を触れやすいため、箱眼鏡を使って海中をじっくりと観察できます。
フィールドワーク後には、通常の内容から趣向を変え「HOBIE」の魅力についてグループで話し合い、まとめ発表を行いました。

〇南三陸BBQ

昼食は「神割崎キャンプ場」へ移動し、海風を感じながらバーベキューを楽しみました。

 

〇山から学ぶプログラム

適正に管理されている森林と手つかずの森林を見学し、森林が担う役割や管理の重要性について学びました。
また、ブッシュクラフト(火起こし)体験を通じて、森林がもたらす恵みを実感していただきました。

 

〇バイオガス発電施設「南三陸BIO」見学

南三陸町バイオマス産業都市構想の中核を担う施設「南三陸BIO」を見学しました。住民の協力による生ごみの分別・収集から、エネルギーや液肥として生まれ変わるまでの工程を学びました。

〇農業の現場見学(液肥を活用した田んぼ見学)

南三陸BIOで生まれた液肥を活用した田んぼを訪問。実験段階から協力してきた農家の方が案内してくださいました。
その際、「失敗を恐れず挑戦すること」「チャレンジなしに未来は開けない」という力強いお言葉をいただきました。

〇ナイトハイク

宿に戻って夕食をとった後は、サンオーレそではまにて「ナイトハイク」を実施しました。真っ暗な夜の海を懐中電灯で照らすと、小魚が勢いよく泳ぎ、砂浜ではカニが活発に動き回る様子が見られ、夜ならではの生き物の姿を観察できました。

 

【8月20日(水)】
最終日は、本研修旅行を来年度以降も実施することを想定し、次回参加者へ魅力を伝えるためのプレゼンテーションを行っていただきました。
2泊3日を共に過ごしたルームメイト4名でのディスカッションを経て、それぞれが感じた本研修旅行の特徴や感想を発表しました。

最後に、生徒の皆さんから以下のような感想をいただきました。

・地方や一次産業の危機を知るとともに、様々なチャレンジを知ることができた。

日本中にこのような取り組みを広めていければ未来も明るいのではないか。
・学校の授業では学べないことを現場で実感できた。魅力的な大人たちと出会い、自分もそうなりたいと思うようになった。
・震災という大変な出来事を経験しても、皆で立ち向かう姿に勇気をもらった。前向きに頑張っていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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