海の幸のイメージが強い南三陸町ですが、実は町内ではさまざまな果物も育てられています。
そのひとつが、これから旬を迎える「ぶどう」。
町内の生産者が育てる大粒系ぶどうの中から、一定の基準を満たしたものは、南三陸町産のブランドぶどう「しおかぜ葡萄」として販売されています。
一房のぶどうが「しおかぜ葡萄」として私たちの手に届くまで、どんなことが行われているのでしょうか。
今回は、出荷シーズンを前に生産者が集まる「目揃え会」におじゃましました。
01|南三陸で育つ「しおかぜ葡萄」
「しおかぜ葡萄」が誕生したのは2024年。
町内のぶどう農家でつくる「南三陸大粒葡萄協議会」が中心となり、南三陸町で育てた大粒系ぶどうを、地域のブランドとして届ける取り組みが始まりました。
現在、協議会の生産者が育てているぶどうは、全体で約30種類。品種も色も味わいもさまざまですが、そのすべてが「しおかぜ葡萄」として販売されるわけではありません。粒の大きさや色付き、糖度、房の状態など、一定の出荷基準を満たしたぶどうだけが「しおかぜ葡萄」として店頭に並びます。

より良いぶどうを育てるため、生産者の皆さんは研修会や技術指導を重ねながら、栽培方法や出荷について学んでいます。生産者同士で情報を共有し、品質や出荷基準をそろえることも大切な取り組みのひとつです。
今回は、出荷シーズンを前に行われた「目揃え会」におじゃましました。
02|出荷前に行われる「目揃え会」

9月4日、出荷シーズンを前に「目揃え会」が行われました。
目揃え会は、生産者が育てたぶどうを持ち寄り、「しおかぜ葡萄」として販売するための基準や、収穫・出荷について確認する場です。

まずは房の重さを測り、さらに一粒ずつ重さを確認。「しおかぜ葡萄」には、品種に応じて房や一粒の重さなどにも出荷基準が設けられています。

糖度計を使って、ぶどうの甘さも確認します。ここで教えてもらったのが、ぶどうは房の上の方から甘くなっていくということ。
そのため、上の粒だけでなく下の粒まで確認しながら、収穫のタイミングを見極めていきます。
03|収穫のタイミングを見極める
ぶどうの収穫は、甘さだけで決めるわけではありません。
甘さと酸味のバランス
糖度はもちろん大切ですが、適度な酸味とのバランスや、青臭さが残っていないかなども確認して、収穫時期を判断します。
色も食べ頃を知るサイン
品種ごとに果皮の色も確認します。
シャインマスカットは、緑色から少しクリーム色を帯びてくることも、熟してきたサインのひとつです。
収穫は天候にも左右される
雨の直後はぶどうが水分を吸い、味が薄くなることがあるほか、急な雨によって粒が割れてしまうことも。
収穫は、果実の温度が低い早朝から午前中が基本です。


糖度や色、味わい、そして天候。私たちが何気なく手に取っている一房のぶどうにも、収穫までにさまざまな見極めがあります。
04|2026年の「しおかぜ葡萄」は?
今年は雨の多さや気温の影響もあり、ぶどうの色付きは例年よりゆっくり。一方で、糖度は例年並みに仕上がっているそうです。
ぶどうの木はまだ10年未満の若いものも多く、成長とともに、昨年より収量も増えてきているとのこと。今回の目揃え会には、緑・赤・黒と色も味わいも異なる約8種類のぶどうが並びました。
品種によって粒の大きさや味わいもさまざま。いろいろな種類に出会ったら、食べ比べてお気に入りを見つけてみるのもおすすめです。

注目の品種「藤稔(ふじみのり)」
今回、おすすめの品種として教えていただいたのが「藤稔」。大粒で食べ応えがあり、果汁もたっぷり。協議会の中でも生産者が少ない品種とのことなので、見かけたらぜひ味わってみてください。
05|「しおかぜ葡萄」として届けるために
目揃え会で確認していたのは、ぶどうの品質だけではありません。
直売に向けて、パックのサイズや包装方法、「しおかぜ葡萄」のシールを貼る位置、品種名や生産者名の表示についても確認していきます。
それぞれの生産者が育てたぶどうを、「しおかぜ葡萄」というひとつのブランドとして届けるために、こうした出荷や販売の方法についても生産者同士でそろえていきます。

06|今年の「しおかぜ葡萄」を楽しもう!
今回、目揃え会におじゃまして印象的だったのは、一房のぶどうが私たちの手に届くまでに、たくさんの確認や工夫が重ねられていること。
糖度や色、収穫のタイミングを見極めるだけでなく、生産者同士で情報を共有し、より良いぶどうを届けるための取り組みが続けられています。

そんな背景を少し知ってから味わってみると、「しおかぜ葡萄」の一粒をまた違った角度から楽しめるかもしれません。
今年の収穫は9月中旬から10月中旬頃までの見込み。生産者によって収穫時期が異なるため、その時々で出会える品種も変わります。
9月19日(土)「しおかぜ葡萄販売会」

旬を迎えた「しおかぜ葡萄」が並ぶ販売会を開催します。
『しおかぜ葡萄販売会』
開催日:2026年9月19日(土)
時間:10:00~13:00
場所:南三陸さんさん商店街(道の駅さんさん南三陸内)
どんな品種に出会えるかは、その時の収穫状況によって変わります。旬の「しおかぜ葡萄」を、ぜひこの機会に味わってみてください。
ぶどうスイーツも楽しめます🍇
9月12日(土)からは「南三陸スイーツピクニック」のぶどう期間もスタート!
町内のお店に、ぶどうを使ったスイーツが登場します。




海の町・南三陸で育つ「しおかぜ葡萄」。
生産者の皆さんが手をかけ、確認を重ねながら届ける旬の味を、ぜひ南三陸で楽しんでみてください。
最終更新:2026年9月8日

