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海とともに、
生きるまち。

11.入谷の打囃子

棚田が黄金色に輝き始める頃、入谷地区には毎夕笛太鼓の音が響き出す。入谷八幡神社の例祭で行われる打囃子の稽古が始まるのだ。
 
文化年間に始まったと言われる神輿渡御が今も古式そのままに行われる。

9月第3日曜日、神輿の御旅所では打囃子が奉納される。中でも、入谷地区のシンボルともいえる八幡神社近くの「一本松」での打囃子で、祭りはクライマックスを迎える。子どもたちの軽やかなお囃子に合わせて、獅子をあやす役の子どもが妙技を繰り広げると人々が湧き立つ。
 
金色の田んぼの中を、夢のように美しい花の屋台と華やかな祭装束の老若男女が進んで行く。その光景は、まるで一幅の絵のようだ。

この祭は入谷地区の各集落の講(桜沢・大船講、水口講、林際講、桵葉沢講)が、輪番制で四年に一度、準備と祭本番を行う。唐獅子や牡丹、桜などの造花を取り付けた屋台を製作し、紙を切り抜いてひとつひとつ染料で染めて花を作り「ばれん」と呼ばれる花輪にする。

2週間前には、打囃子を演じる大太鼓、小太鼓、笛、獅子、獅子あやし役の子どもたちが稽古を開始する。そのお世話や、子どもたちが身につける衣装作り、ご祝儀集め、当日のおふるまいの炊きだしなど、当番の講の人たちは大忙しである。

入谷の祭りと打囃子は宮城県指定無形民俗文化財に指定されている。時代が急激に変化する中でも、入谷の人々はみんなで分担し、地域の宝物を継承してきた。伝え続けるその過程で、従来のコミュニティにまた新たな命が吹き込まれていくのだ。
 秋の実りに心からの感謝を捧げる入谷八幡の祭には、地域の人々の心意気が息づいている。

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