水中部門審査委員:中村宏治氏 総評
全体的に平均レベルは高かった。
今まで南三陸町には生き物の取材で何度も行ったが、水が冷たく、透明度も南の海とは違い、コンブなどの植物がたくさん生えている条件の中で、マクロ写真が多く、9割前後がマクロ写真だった。その中には生物たちとのからみをとりこんでいるおもしろい作品がたくさんあった。
数は少ないが、ワイドの応募作品の中にも南三陸町の海藻の美しさが背景の中に入り込んでいるもの、季節のエポックであるクラゲなどが写り込んでいる写真がたくさんあったので、そういうものにもひきつけられながら数多くの作品の中からゆっくりと余裕をもって作品を選ぶことができた。
水中部門審査委員:阿部秀樹氏 総評
マクロ写真がとても多いので飽きがきそうなイメージだが、生き物とのからみや、瞬間瞬間を撮影しており、レベルが高くなってきている気がする。
色みについても青一色ではない寒流帯の海の中にあって、色々な水の色を見ることができるので、それがとても良い。
東北は茶やグレーというイメージが強いが、水中の中は驚くほど鮮やかな色どりで、南三陸の隠された底力を感じた。
このようなフォトコンテストはたくさんあるが、このレベルのコンテストは他にはない。志津川湾で潜れる範囲は100m×50mほどだが、この狭い範囲だけを対象にしてコンテストが出来てしまうこと事体が驚きであり、それが水中写真のおもしろさ、奥深さだと思う。制約のあるなかで素晴らしい写真を撮影していると感じた。
水中部門入賞作品一覧

1957年藤沢市生まれ。目の前が海という環境だったので幼少時代から海が遊び場で、22才の時に本格的にダイビングと水中写真を始める。現在は日本の海の多様性に注目して北海道から沖縄までの、水中にとどまらず漁業や海を取り巻く姿も幅広く撮影している。特に得意分野の水中生物の生態ではテレビ番組等の撮影やコーディネートもおこなっている。またイカ・タコ類の撮影では国内外の研究者と連携した貴重な映像・撮影は国際的な評価を得ている。
主な著作
「イカ・タコガイドブック」阪急コミュニケーションズ、他魚類図鑑写真提供、雑誌連載等。